2003/09/15
電経新聞
FTTHなど光サービスが軌道に乗り始めた昨今、マンション内に光ファイバやサーバ、ルータなどを設置し、マンションの住民に快適にインターネットやアプリケーションを利用してもらう「インターネットマンション」が活況を呈している。
インターネットマンションの設計・構築・運用保守を行うシーファイブの鈴木利幸社長によると「汐留の再開発などもあり、首都圏を中心にビジネスは順調に推移している」という。
何を隠そう日本で初めてインターネットマンションの企画設計を行ったのが鈴木社長なのだ。97年に竣工した住友不動産の西早稲田シティタワーを皮切りに数々の設計企画を手がけてきた。
現在はNTTやUSENなどインターネットマンション事業に参入する企業が増え、競争も激化しているが、「当社の強みを生かし、差別化を図りながら事業展開する」と鈴木社長の表情に不安の色はない。
シーファイブの強みとして、不動産デベロッパーなどと一緒に密な協議を行いながらサービスを開発する点が挙げられる。「立場的にはデベロッパーの商品開発 IT部門を担当しているイメージ」(鈴木社長)。意思を確認しながら仕事を進めていくので、お互いの満足度に齟齬が出ないのだ。
また同社が提供するインターネットマンションには特色のあるサービスが用意されている。
例えば、ヘルプデスク。通常のヘルプデスクは、インターネットに接続できなかったなど、問題が生じたときだけ利用するものだが、同社の場合は、パソコンについての質問はすべて受け付ける、いわゆる電話パソコン教室対応のヘルプデスクとなっている。ワードやエクセルの使い方はもちろん、デジカメで撮った写真をハガキに添付する方法など、パソコンにまつわるありとあらゆる相談を受け付けている。「マンション入居者には、パソコンを初めて触る人も大勢いる」(鈴木社長)ため、きめ細かいヘルプデスクが必要と判断した。
また、入居者が無料で利用できるブロードバンドポータルサイト「BBトレック」。ヤフーをはじめ検索サイトは数多くあるが、データ量が膨大で、順応できる人はまだ少ない。そこでブロードバンドに特化したサイトをBBトレックで紹介。「要するに面白くてためになるサイトを入居者に教えるサイト」(鈴木社長)である。
その他、オプションサービスとして携帯電話で家電リモコンやセキュリティを可能にする「留守モード」。地上波チャンネルの全番組を録画し、いつでも目当ての番組を見られるようにする「WeeklyNeVIO」。さらに10月からはIP電話サービスもスタートさせる。
今後は「首都圏中心の営業を全国に拡大し、IPOを目指す」(鈴木社長)と高い志を示す。
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