2000/12/25
週刊ビル経営・便利帳
最近の東京ビジネス地区は空室在庫も9ヶ月連続して減少しており回復基調もますます本格化している。IT関連企業や外資系企業のオフィス需要が依然旺盛で、オフィスビル市場の品薄感はさらに強まったと言える。今回は東京ビジネス地区でも比較的高い入居率で安定している千代田区のオーナーや管理会社に話を聞いた。
既存物件のインターネット対応を低価格で請負―ビル全体をプロバイダ化し収益源に ― テナントや居住者が高速でインターネットを利用できるシステムを扱っているそうですが。
鈴木 オフィスビルの中にサーバーを設置し、全室で高速インターネットを利用できるようにしています。ビルの資産価値を高める目的で行いますから、オーナーにとってもメリットになります。
― ビルオーナーがサーバーを設置した後、出来るようになることは。
鈴木 近い将来、インターネットで流れる高画質な映像、ムービーをスムーズに見る事が出来ます。また設置したサーバーの中には、ワープロや表計算、給与計算や会計ソフト等を入れておき、ネット経由で利用できるようにします。
― コンピューター対応というと新築物件という印象がありますが。
鈴木 それはまったく関係ありません。新築であろうと既存であろうとサーバーの設置は可能ですし、費用も一戸あたり10万円以下とそれ程高くはありません。
― テナントのメリットというと
鈴木 低料金で高品質なインターネット回線を利用できる点です。利用料金は複数テナントで共有する為、割安になります。先端ビジネスに適正な価格で対応できるのは大きな魅力ではないでしょうか。
― セキュリティの管理については。
鈴木 ICを活用することで個人の所在を履歴管理することが可能です。また入室制限といったようにセキュリティレベルの設定に変化をつける事ができるようになります。
― 築年数の長いビルでの需要見込みは。
鈴木 老朽化しているビルであってもテナントの情報技術に対する潜在的なニーズは高いといえます。現在では約9割の企業が何らかの形で情報技術を利用していますから、資産価値が下落して賃料が下がっているビルこそネット対応にして付加価値を付けるべきだと思います。ビル自体をプロバイダにするわけですから本来プロバイダの収益となる金額がオーナーの収益となりますし、魅力あるオフィスビルへの差別化の第一歩として、ビルオーナーの味方になると考えています。
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